スノーボードギアカタログ2017-2018:板-BURTON

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スノーボードブランドの中で絶大な人気を誇り、世界シェアNo.1のBURTON(バートン)。スノーボードをやる人なら詳しくない人でも名前は聞いたことがあると思う。バートンはボードだけではなく、ブーツ、ウェア、グローブ、ヘルメットやサマーシーズンのアパレルまで手掛ける総合ブランドとなっているが、ブランド背景と17-18シーズンのボードラインナップを紹介するので、板選びの参考にしてほしい。

1.BURTONについて

バートンは1977年にジェイク・バートン氏によってアメリカ バーモンド州に設立された。当時はJAKE BURTON SNOWBOARDという社名であった。当時は現在のようなスノーボート形状はまだ確立されておらず、様々な形の乗り物があった。バートン氏は14歳の時Snurfer(スナーファー)と呼ばれる板の前方に紐を括り付けた立ち乗りのソリのような乗り物にインスピレーションを受け、1977年に会社を設立している。

1970年代、1980年代にはアメリカにもうひとつSIMSというスノーボードメーカーもあった。SIMS創業者のトム・シムス氏はスノーボードの原型を初めて作った人とも言われ、バートンと同時期に西海岸のカリフォルニア州で会社を設立している。このSIMSから、当時世界チャンピオンであったクレイグ・ケリーがバートンへ移籍したことをきっかけにして、徐々にバートンは世界一の企業へと発展する。

クレイグの人気はバートンにとって非常に有効な広告となり、世界チャンピオンからのフィードバックは製品開発を加速させた。結果、バートンは世界No.1のブランドへと登りつめていった。

2.The Channelシステム

バートンの板はビンディングの取り付け穴が他メーカーと異なり、一直線の溝のような構造になっている。これはThe Channelシステムと呼ばれ、ビンディングもESTもしくはRe:Flexビンディングという専用のものとなる。溝の上ならどの位置でも取り付けられるため、左右のビンディング幅の自由度が高い。

ESTタイプはディスクがなくダイレクトな足裏感覚となる。Re:Flexタイプだとディスクがありクッション性が良くなる。The Channelシステム対応のビンディングはバートンのビンディングなら現在はどれも対応しており、バートン同士の組み合わせが良いと言われているが、FLUXやUNIONなどビンディング専門の有名ブランドにもバートンの板に取り付け可能なものがある。

3.BURTONスペックの読み方

バートンのスペックには、あまり一般的ではない用語が多用されていることもあって非常に読みづらい。バートンの板でも不動の人気を誇り、定番中の定番となっているCustomというモデルを例にして、バートンのスペックの読み方の基本の部分を解説する。

3-1.ド定番 Custom

バートンの板の中で最も人気があるのがCustomシリーズ。オールラウンドスタイルのボードとしてはほとんど欠点がなく、ある意味目指すべき業界標準ともいえる地位を確立している。

ソチオリンピックハーフパイプで銀メダルだった平野歩夢選手が使用していたことでも有名な板である。

PERSONALITY(扱いやすさ):ボードの硬さとそれに伴う扱いやすさを示している。左に行くほどやわらかく扱いやすい板、逆に右に行くものほど硬めで扱いは難しいが滑走時の安定性やオーリーの高さなどでメリットが出てくるものとなる。

TERREIN(適した環境):どんな環境の雪に適しているかという表す。左のPARKはジブアイテムを滑るのに向いている板。右のBACKCOUNTRYは非圧雪のパウダースノーに向いている。真ん中のGROOMERSは俗語で「圧雪整備された雪」という意味。ちなみにキッカーでワンメイクをする場合やハーフパイプをする場合に適したものは、この図でいうとGROOMERSあたりのものになる。

BEND(スノーボード形状):横から見た際のスノーボードの形状。キャンバーは左右のビンディングの外側当たり2点で雪面と接している構造。詳しくはこちら

SHAPE(ノーズテール比):ノーズの先端から前足位置までがテールの先端から後ろ足までよりも長いものをディレクショナルという。対して同じ長さのものはツインという。また、中間にあたるディレクショナルツインというものもある。ディレクショナルは、高速時の安定性や板の操作性、パウダー時の浮き上がるような浮力が上がる。一方ツインの場合は、スイッチでも滑りやすくトリックをやる場合にメリットがある。

FLEX(硬さ):フレックスは板の硬さのこと。通常は板全体の硬さを数字などで表すが、ここでの「ツイン」というのはノーズ、テール対象となるように硬さが調整されているという意味。

CORE(板の芯材):バートンの板は芯材にウッドコアが採用されており、数種類に分かれる。
 
スーパーフライⅡは真ん中のような構造。700gというのはコアの重さでスノーボード自体の重量の目安となる。デュアルゾーンEGD(エンジニアドグレインディレクション)はバートン独自の技術で、サイド部分にある板に対して垂直に並んでいるコア構造。これによってエッジのグリップ感が良くなる。また、頭の「FSC認証」はFSC(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)という森林保護のための国際団体から認証を受けた、森林環境に優しい材質という意味を持つ。バートンのコアはすべてFSC認証を取得している。

FIBERGLASS(強化剤):スノーボードの基本構造はコアとなる芯材に、強度を増すためのガラスファイバーやカーボンファイバーの層を貼り付けたものである。FIBERGLASSはその強化剤の構造を表す。カーボンハイライト45°は強化剤としてカーボンファイバーが使用され、45°の角度で配列することで板のレスポンスを高めている。

カーボンファイバー 通常は編み込んでシート状にする 

BASE(ソール):ソール面は通常PE(ポリエチレン)でできているのだが、製法の違いで性能も違ってくる。シンタードというのはハイエンドのスノーボードでよく見られる製法でワックスの浸透性が高くなるが、その分手入れに気を使わなければいけないタイプ。安価なものはエクストルードと呼ばれる押し出し製法で製造される。バートンのシンタードWFOというのはあらかじめ製造過程で2種類のワックスを浸透させるもの。購入してからノーメンテナンスの状態でもよく滑る。

MOUNTING(ビンディングの取り付け):バートンはThe Channelという独自のビンディング取り付け方法となっており、両足幅の自由度が高い。ビンディングは専用のものとなってくるためバートンの板対応かどうか確認する必要がある。

FEATURES(特徴):Squeezebox:板の中でパワーを生み出す厚い部分と、フレキシブルな薄い部分をバランスよく持たせることで、ポップ感とパフォーマンスを高める機能。
 
フロストバイトエッジ:ビンディングの下あたりのエッジを少し膨らませることでエッジホールド感を高める機能
スーパーサップ樹脂:バイオエポキシ樹脂のひとつで環境に優しい素材。環境に配慮しているバートンならではの配慮でこれを使用している。
プロティップ:ティップは先端という意味で、ノーズとテールのこと。プロティップはノーズ、テールが薄めになっており、操作性の向上、パウダーでの浮力の向上が得られる。
インフィニットライド:板の滑り心地を長く保つための施策。通常、板は何度も使用したり、何年も経過すると変形が起きたりフレックスが変化したりする。こういった変化は購入直後(製造直後)の使用で一番顕著に起こり、徐々に変化は穏やかになる。そこで、バートンでは製造時にスペック以上の板を作り、出荷前の過程で故意的にヘタらせることで、板の経年変化を抑える方法をとっている。

Customだけでかなり色々な工夫が入っている。長年かけて培ったこういう数々の工夫がバートンをNo.1としている理由なのだろう。

3-2.Custom Flying V

バートンの一部のモデルにはFlying Vとついているものがある。CustomにもFlying Vがあるのだが、これはBEND(横から見た際のスノーボードの形状)の違い。通常のCustomはキャンバー形状をしているが、Flying Vタイプはダブルキャンバーのような形をしている。

厳密にいうとセンターとノーズ、テール付近の3か所にロッカー形状を持っており、センターはVの字に近い形で湾曲させられている構造。まあ、滑り心地は一種のダブルキャンバーと思ってよい。

Customとの違いはこの点だけで、デザイン含めてあとは同性能である。Customの性能をベースにロッカーの乗り心地がほしいユーザーはFlying Vタイプをチョイスするといいだろう。

バートンのラインナップは種類が豊富なのですべてはなかなか紹介できないが、Custom以外で注目すべきモデル、おすすめのモデルを紹介する。

4-1.Custom X/Custom X Flying V

CustomをベースにしつつもCustomよりも硬めのフレックスを持ち、扱いは難しくなるが、高速時の安定性、キッカーやパイプでの着地の安定性、オーリーの高さなどが期待できるモデル。平岡卓選手がソチオリンピックで銅メダルを取った際、使用していたことでも有名。

上級者ではCustomよりもCustom Xを好むというユーザーも多くなる。

機能的にはCustomと似ているが、コアの形状がより軽量で硬めの構造になるドラゴンフライ600gマルチゾーンEGDだという点、Squeezeboxにさらにカーボンフリースを入れポップ感のポテンシャルを増している点が異なる。

標準より硬めの板がほしいユーザーにおすすめの1本である。

また、Custom XもFlying Vタイプがある。

4-2.Antler

AntlerはCustomよりも軽量で扱いやすいボード。軽量だからと言ってやわらかくなっているわけではなく、コアの違い、Squeezebox Highの効果で硬さも出ているため安定感もある。ただし、Custom Xほどハードな板というわけではない。

また、カーボンファイバー層が60°の角度で入っており、カービングなどの操作性が高い。Customよりも軽い板がいいというユーザーや、オールマウンテンボードでも軽快なカービングを楽しみたいというユーザー、Custom Xまでいかないがある程度の硬さもほしいというユーザー向け。

4-3.Deep Thinker

Deep Thinkerはオールマウンテンボードの中でもポップな乗り心地の1本。基本構造はCustomに近いのだか、BENDがディレクショナルキャンバー形状になっている。これはキャンバーの進行方向にロッカー形状を追加した形をしている。

このロッカー形状で若干ノーズが浮く作用と、後ろのキャンバー構造によってゲレンデがどんなコンディションの際にも操作性が良くなり、キレのあるターンが可能になる。また、パウダー時の浮力も大きくなり、サーフィンのような感覚で楽しむことも可能。

また、7mmテイパーとの記載があるが、ノーズがテールよりも太くなっている形状をテイパード構造といい、ターンの入りと抜けをスムーズにし、高速時の安定性も上げるという作用がある。太さの度合いを7mmという記載で表している。

テールのデザインも特徴的だ。

4-4.Free Thinker

Deep Thinkerと対をなすような板がこのFree Thinker。こちらも、Customと特徴は似ているのだが、BENDがツイン形状になっている。ボードの先端からビンディングビスホールまでの距離もノーズ、テールで同じだし、フレックスも同様になっている。ツイン形状のメリットはわかりやすく、スイッチの場合でもメインと同様の特徴が得られる点。

昨年まではCustom Twinというモデルがあったのだが、2017-2018シーズンでCustom Twinに当たるのが、このFree Thinkerというモデルだろう。

4-5.Family Tree Dump Truck

バートンのラインナップの中でバックカントリーやパウダーラン用のモデルはかなり多く、高価格のものが何種類も出ている。このFamily Tree Dump Truckはハイエンドバックカントリータイプの中でも比較的手が出しやすい価格で、機能的にも申し分ないものとなっている。

特徴は15mmという大きめのテイパー構造で、ノーズ側のほうが見た目にも大きい。また、近年ハンマーヘッドと呼ばれる、ノーズ、テールがつぶれた形状の板が出てきて、フリーライドの技術を大きく進歩させたが、このモデルも若干先端がつぶれている。低速時の取り回しは難しくなるのだが、有効エッジを長くとれるといった特徴によってターンのキレを増すことができるなどの特徴がある。

また、バランスフリーライド形状というFeatureを持っている。これはディレクショナルキャンバーによってやや後ろにセットバックされているキャンバー構造と、両足のセンターに設けられたサイドカット形状を持つという特徴。効果を言葉で表すのはなかなか難しいのだが、エッジを効かせていないフラットライド時はツイン形状が持つような自由な乗り心地が得られ、ターン時にエッジを効かせるとディレクショナル形状が持つ鋭いターンが得られる。言ってみると、ツインとディレクショナルの両立といったところだ。

4-6.Name Dropper

Name Dropperはバートンのラインナップで最もパーク向けのもの。ボードのフレックスも非常にやわらかい。注目点はフィレオフレックス。コアの素材を耐久性があり薄型にできるものにすることでソフトなフレックスを実現している。

また、Off-Axis Squeezebox Lowは板のセンターあたりを薄くし、ソフトにしているので、ジブの際のスタイルも出しやすい。

また、この板はBENDがフラット形状をしているのも特徴。反発がもう少し欲しい場合はキャンバー形状のName Dropper LTDもある。

個人的には、ボードの重量が若干重たい点、Fiberglassに角度をつけた構造がない点が気になるが、その分価格が安くなっている。ソールはシンタードベースなので、手入れは怠らないようにしたい。

4-7.Instigator

バートンのモデルでビギナー向けにつくられているのがこのInstigator。フレックスもやわらかく乗りやすいようになっている。価格面でもCustomの約半額で入手できる。

価格が安くてもコア技術、The Channelシステムなどにはバートンの特徴がしっかりと入っており、決して悪い板ではない。ソールはシンタードではなくエクストルードタイプのものなので、それほど手入れに気を遣わなくても何とかなる。ビギナーにはメリットである。

BENDがキャンバーではなくフラット形状になっているのは、ビギナー向けはあえてキャンバーやロッカーに限定しないというバートンの考えなのだろう。

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