大型二輪免許取得のために 技術課題から教習車仕様までポイント解説

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普通二輪免許を取得して3年になるが、そろそろ大型バイクがほしくなってきたので、とりあえず免許を取得しておこうと思い自動車学校に入校した。通常の路上では行わないような課題走行や低速時に重たいバイクのコントロールが必要となり、思った以上に難しいので少しまとめることにする。

教習内容

大型二輪の教習は普通二輪免許所持の場合12時限分技術教習を受ければ、卒業検定となる。普通二輪や普通免許と同様一段階と二段階があり、一段階の終わりは教習効果のみきわめ時限となっている。

一段階と二段階でメインの教習内容が異なり、一段階は試験課題の習得、二段階は法規走行技術の習得がメインとなる。通常は一段階の4時限目にAT車の体験時限、二段階の6時限目にシミュレータによる危険予測の時限がある。

筆者が入校したのは神奈川の中心あたりにある向ヶ丘自動車学校。決して自宅から近くないのだが、普通免許も普通二輪もここで取得したのでここにしている。また、近隣の自動車学校と比較して教習料金が安く、近隣では10万円台のところも多いのだが、ここは普通二輪免許所持の場合8万円台で入校できる。

試験課題と成功のポイント

四輪と違い二輪の免許には特有の技術課題がある。大型二輪の場合は、一本橋、スラローム、波状路、急制動の4種類に加えて、四輪でもあるS字カーブとクランクとなる。

一本橋

幅30cm、長さ15m、高さ5cmの通路上を低速で落ちないように走行する。大型二輪の場合は10秒以上かけて走行しなければならない。

普通二輪では1速でリアブレーキを使えばクリアできたが、大型では半クラッチも使用しなければ不可能。コツは、ニーグリップをしっかりとすること、目線は少し遠くにすること、ハンドルを使用してバランスを保つことである。また、1速での走行になるので左足をギアペダルにおいて踏ん張りを効かせることで安定させるという方法もある。

ちなみに一本橋の課題は体重が軽くて、体幹が強い人のほうが圧倒的に有利である。体幹は中年になると急激に弱くなってくる。若者の場合、一度も落ちた経験がないという人も多い。実はトレーニングで体幹を強くするというのが一番有益な練習だったりする。

スラローム

27mの距離内にパイロンが5か所置いてあり、左右に移動して避けながら通過する課題。大型の場合は7秒以内で通過する必要がある。

スラロームの課題はバイクを自在に操るために有益な技術が身につく。この課題の一番のポイントはアクセルとリアブレーキの使い方になる。まず、コースに入る際には斜めに侵入することで、バイクの動作を行わなくても一つ目のパイロンを避けられるようにする。

切り替えすべきタイミングになったら、リアブレーキで減速し車体を傾けて曲がる。バイクが次のパイロンを避けられる角度まで曲がったところで、アクセルを使用して加速することで車体を起こす。この動作を繰り返すことで安定して課題をクリアする。スラロームの課題というのは、低速で傾き不安定になった車体をアクセルワークで起こすことで安定させるというテクニックを身につけるものでもある。

その他のポイントは、やはりニーグリップをしっかりする点と目線。目線はなるべく避けようとしているパイロンではなくひとつ先を見るようにした方が良い。

波状路

普通二輪にはない課題が波状路。デコボコの障害物を低速で乗り越えるように通過する。5秒以上かけるというのが課題の内容。

波状路は衝撃を抑えるために立ち乗り状態で通過する。まず立ち方だが、ペダル7割、ハンドル3割という配分で荷重がかかるようにする。普通に立つとペダル10割の割合になる人がほとんどなのだが、その状態だと体が後ろに行き過ぎている。意識としてはタンクが股下に来るような位置に立つ。ニーグリップはしっかりとできないのだが、くるぶしでフレームを挟み、ひざも軽くタンクを挟むようにする。

通過の際のポイントは、まずまっすぐと侵入すること。斜めに入るとタイヤが乗り越えられずに、ハンドルを取られて転倒する。また、減速はリアブレーキで行い、半クラッチを使って乗り越えたいタイミングでわずかに加速し乗り越えるようにする。半クラッチを使わなくても通過可能なのだが、乗り越えるタイミングでエンストのリスクが非常に高まるので、おすすめしない。また、ギアは必ず1速にすること。2速以上だとほぼ間違いなくエンストする。

バイクは上下に揺れるが、ひざとひじを使ってうまく吸収し、頭の高さが変わらないようにする。

2018/2/6追記
波状路で立ち姿勢を取る理由は衝撃吸収だけではない。安定性という観点から考えると、立った場合は重心位置が高くなるのでむしろ不安定となる。にもかかわらず立ち姿勢を取る理由は車体の傾きを素早く感知することができるためである。

頭の位置が高くなることによって、少しの車体の傾きでも頭は大きく横へ移動することとなる。このため車体の傾きをいち早く感知し、修正できるというメリットがある。

急制動

急制動も二輪特有の課題。四輪と違い二輪はブレーキが難しく、強くかけすぎると簡単にタイヤがロックして滑ってしまう。制動距離も長くなりがちなので非常に重要な課題。普通二輪、大型二輪で違いはなく、侵入速度は40km/h、晴れている日の乾燥路面では11m、濡れている路面では14m以内で止まる必要がある。

まず、前提として理解しておかなければいけないのだが、車種によってブレーキのかかりかたも違えば、車体重量もタイヤも違うのでどの程度かけるとタイヤがロックしてしまうかが異なってくる。そのため、何度か試してみてロックし始める強さと速度の具合を知っておく必要がある。

その前提で前輪7割、後輪3割程度の割合でかけていくと良いのだが、大抵ロックするのは後輪タイヤのことが多い(前輪がロックすると転倒する)ため前輪強めを意識するほうが上手くいく。

ポイントは侵入前に3速45km/hあたりまで出し、そこからアクセル戻してエンジンブレーキで侵入時40km/h付近になるようにする。ブレーキ開始のパイロンまで来たら、ブレーキをかけるが気持ち早めにリアブレーキをかけたほうが車体がバランスよく沈み込み安定する。前輪ブレーキはギュッといきなり握るのではなく、ギュゥゥウウーっと段階的に強くする。また、エンジンブレーキも効かせたいのでクラッチはギリギリまで切らないこと。

2018/2/6追記
徐々に強く握るというのは古い考え方の模様。現在は前輪のブレーキパッドがブレーキディスクに当たるまでレバーを握ったら(あそびを取る程度)ギュッと握りこむほうが制動距離は短くなる。また、あらかじめパッドをディスクに当てておくところから握りこむ場合、ブレーキがかかり過ぎて前輪がロックすることもない。パッドの消耗から考えてもこちらの方が優位な方法とのこと。

S字カーブ、クランク

通常クランクができればS字はできるので、クランクだけ説明するが、クランクで重要なのはライン取りになる。内輪差を考慮したライン取りをしなければ後輪側のバンカーあたりが内側のパイロンに当たってしまう。下図のように、曲がる際の前輪はなるべく角の外側を通るようにする。

また、上手く通れる場合は2速でもいいがスピードがあると車体をしっかり傾けなければ大回りになってしまうので、おすすめなのは1速半クラッチ。曲がる際に目線を足元にすると不安定になるので、次の角、出口の更に奥のあたりなど遠くにしたほうが良い。

教習車

大型二輪の教習で使用されるバイクは現在HONDAのNC750Lが一般的。昔はCB750が使用されていたのだが、HONDAが2013年に新モデルとして発売したことで業界標準も変わっている。

このバイク、実は大型とは思えないぐらい扱いやすい。普通二輪の教習車はCB400SFという400ccのものが多いが、比較してみてもそれほど重くて扱いにくいという印象を受けなくなっている。

低速での安定性も改善されており、2気筒エンジンになっているという大きな違いがあるが、トルクも大きくエンストするようなことはめったにない。

また、特徴的なのは燃料タンクの位置が実はメットも入る収納スペースになっている。燃料はシートの下あたりに積んである。市販車も教習車もこの点は共通。

初めて乗った時にエンジン特性に関してはかなり扱いやすく好印象だったのだが、操作系統で3つほど気になる点があった。

ひとつは、左足のシフトペダル。ステップは無理のない位置にあり乗りやすい姿勢をつくっているのだが、シフトレバーの位置がかなり車体の内側になっており、意識して引っ掛けないと上げられない。慣れれば問題ないとは思う。

二つ目はウィンカースイッチ。入れるのはいいのだが、消すのにコツがいる。きちんと真ん中に戻っていなければ押されないような仕様になっているのか、押しているつもりでも消えないことがある。手が小さい人の方がおそらく不利になる。

三つ目が一番気になったが、ハンドルレバーが滑る!特に右手のアクセルスロットルが金属製で硬く、非常に滑るため、課題中のアクセル操作に影響が出てしまっていた。普段自分のバイクはゴムベースのカスタムスロットルを使用しているのでグリップが良く気にしていなかったが、これほど操作に影響が出るとは思わなかった。と言っても、スロットルを変えてはもらえないので、グローブをグリップのいいものに変えることにした。バイク屋に行って選んできたのがこれ。


HIT-AIR G7-Y

バイクパーツメーカーの山城とのコラボ商品らしいが、ベースはHIT-AIRのG7というグローブ。機能的には全く同じでデザインの配色が違うだけらしい。手のひらと親指部分に滑り止めの樹脂素材がついており、かなり操作しやすくなった。

その他にも、伸縮性の良いストレッチ素材が使用されていたり、プロテクター部分が充実していたり、スマホ操作可能にしてあったりとかなり充実したグローブだった。しかも、同機能のグローブだと、他の製品よりも価格がだいぶ安い。おすすめのグローブだった。

NC750Lスペック

通称名 NC750L
車名・型式 ホンダ・2BL-RC67
全長×全幅×全高(mm) 2,190×775×1,120
軸距(mm) 1,520
最低地上高(mm) 130
シート高(mm) 770
車両重量(kg) 217〔228〕
乗車定員(人) 2
燃料消費率※1(km/L) 国土交通省届出値 37.0(60km/h定地走行テスト値)<2名乗車時>
定地燃費値
WMTCモード値(クラス) 27.6(クラス3-2)※2<1名乗車時>
最小回転半径(m) 3
エンジン型式・種類 RC67E・水冷 4ストローク OHC 4バルブ 直列2気筒
総排気量(cm3) 745
内径×行程(mm) 77.0×80.0
圧縮比 10.7
最高出力(kW[PS]/rpm) 27[37]/5,250
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 54[5.5]/4,000
燃料供給装置形式 電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)>
始動方式 セルフ式
点火装置形式 フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L) 14
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式5段リターン
変速比 1  速 3.066
2  速 2.176
3  速 1.454
4  速 1.068
5  速 0.833
減速比(1次/2次) 1.731/2.933
キャスター角(度)/トレール量(mm) 27°00´/110
タイヤ 120/70ZR17M/C(58W)
160/60ZR17M/C(69W)
ブレーキ形式 油圧式ディスク
油圧式ディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式 ダイヤモンド
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