スノーボードブランド紹介2017-2018:板-011 Artistic

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高価格スノーボードの中でも、最近人気が出てきているのが011Artistic。このブランド、つい5、6年くらい前まではゲレンデで持っている人を見ることなど滅多になかったのだが、すごい勢いで増えていると感じる。

筆者は昔からなかなか好きなブランドのひとつなので、今回モデルラインナップを紹介しよう。

1.011Artisticについて

 名前から勘違いされやすいが、2003年創業の純日本ブランドで会社は北海道にある。
ちなみに、札幌の固定電話は市外局番が011なのだが、関係あるのだろうかといつも思う……。

011Artisticの特徴は何といってもグラトリのしやすさ。
プレイスタイルにもよるが、オールマイティにどんなグラトリでもやりたい、できるようになりたいという人にとってはこれ以上のメーカーは他にないと思う。
筆者もグラトリを結構やるので、ここの板は2枚ほど持っている。

また、デザイン面でも特徴的。塗装が特徴的なほか、ステッカーの展開にかなり積極的なので、オリジナルボードへのアレンジも行いやすい。

2.テクノロジー

スノーボードを毎年買い替えるというコアなユーザーは少ないと思うが、スキーもスノーボードも技術的には毎年進歩している。
すべての技術をあげるとキリがないのでカタログを見てほしいのだが、ここでは特徴的なもの、アピールすべきものをあげる。

・PEファイバー

コアとなる素材はウッドコアなのだが、011の板にはポリエチレンでできた帯のようなものが入っている。これが、適度な伸縮性を持っており、オーリーした際の反発力、スピンの回転力へとつながっている。モデルによって入り方が違い、入っていないものもある。

・Convex Sole

一見フラットに見えるソール形状だが、よく見てみると若干湾曲させてあり、エッジが地面から離れている。これはスピンの際にエッジが地面に引っかかり回転力が落ちることのないようにという考えで、滑らかな滑りを実現しているらしいが、この形状のおかげで011の板は非常に逆エッジになりにくい。

グラトリの練習には、逆エッジがついて回るものなので、このリスクを低減できるというのはかなり大きいメリット。結果、上達の速度も上がる。011の板は価格が高いが、初心者にとっても役に立つ技術だと言える。HG (ハイグレード)よりGHG (グラウンドハイグレード)モデルのほうが大きく曲がっている。

・ビベリングエッジ

ビベリングはエッジの角度を鈍角にすること。これもソール形状と同じく滑らかにスピンするためのもの。
カタログにはターンのキレはそのままでと書いてあるが、さすがにそんなことは無い。基本エッジ角度は90度になっているものが多いが、レースに出ているような人だと90度よりも鋭角にしていることもある。

・デザイン

カタログなどの画像で見るとわかりずらい(というより加工されていて実際のものよりシンプルになっている)のだが、011の板は数年前から特徴的な塗料を使用している。
黒ベースの塗料なのだが、ラメが大量に入っており、実際に見るとキラキラ輝いて見える。また、反射するように仕上げていることもあり、きれいに塗装されたスーパーカーのような印象を受ける。

スノーボードのデザインは派手な絵がかいてあり、マット調仕上げというものが多いため、011の板は他にはあまり見ない”美しさ”を持っている。
他とは違ったデザインを求めたい人にもおすすめだ。

3.2017-2018モデルラインナップ

まず、ボード形状に関して、011Artisticにはロッカー形状のものはない。
これは、やはり反発力が出ずオーリーの高さが出せないという意味で採用していないのだろう。ラインナップのうち○○SPINとついているものが、ダブルキャンバーベースの形状をしている。

3-1.DOUBLE

011の原点ともいうべきモデル

テクノロジー的にはソール形状のHGしか入っていないのだが、非常にバランスがとれており、初心者から上級者まで扱いやすい。
おそらく、未だに一番売れているモデルであろう。
011の滑りと言えば、このモデルになるので、クセがなくグラトリ面での基本性能を求めるのであれば、このモデルを買っておけばいいだろう。

3-2.DOUBLE SPIN

基本ベースはDOUBLEと同じなのだが、形状がダブルキャンバーのもの。011はスピンキャンバーと呼んでいる。

真ん中の部分がロッカー形状となっているのだが、地面と接する部分が少なく、コマのようにクルクル回れる。良くも悪くも安定性はないモデル。また、プレス系のトリックをした際に、板の真ん中から折れ曲がっているようなスタイリングになる。

DOUBLEと違い、ソール形状はGHG、エッジはビベリング処理が入っている。これらもより回りやすくという目的なのだろう。

3-3.X FLY

X FLYは名前の通りオーリーの高さを追求したモデル。
基本となるDOUBLEのようなウッドコアではなくフォームコアと呼ぶより軽い素材を使用している。
単純にコアとなる木を軽くすると当然軟らかくなり反発力は落ちるので、間にカーボンという硬くて軽い素材を入れて、反発力と軽さを両立させている。

また、PEファイバーがX字状に入っており、しなり具合を高めている。

3-4.X FLY SPIN

X FLY SPINはX FLYの高さをそのままにダブルキャンバー形状にしたもの。
フォームコア、クロス上のPEファイバーに加えて、GHGとビべリングエッジ構造が入っている。また、17-18モデルの中では一番軽いものとなる。そもそも011の板はほかのブランドと比較しても随一の軽さを誇る。その中で最軽量なので、日本で手に入るスノーボードの中で最軽量クラスと言ってもいいだろう。

3-5.FLAT KING

DOUBLEと並んで011の中で不動の人気を誇るのがこのFLAT KING。フラキンと呼ばれることもある。
FLAT KINGの特徴は何といってもフラットキックと呼ばれる独特のノーズ、テール形状。

通常の板は緩やかなカーブ形状をしているが、このフラットキックでは、通常より2センチ高い位置めがけて、カクッとフラットに立ち上がっている。
これによって、オーリー、ノーリー時の雪面との抵抗を軽減し、高さのあるトリックが…などと書いてあるが、実際に乗ってみると印象はこうだ。

通常、オーリーからスピン系のトリックに入るときにはテールの付け根のあたりに高さが出て、適度に回転もできるスポットがある。ここを使用してオーリーすればよいのだが、FLAT KINGの場合このスポットが小さくなっている。

   
通常のパワースポット(左)とFLAT KINGのパワースポット(右)

当たりづらいともいえるのだが、当たった時の高さと回転力は驚くべきものになる。フレックスも適度に硬さを持っており、パワー系というのにふさわしいだろう。
また、PEファイバーがストレートに入っており反発力をさらに高めている。GHGとビべリングも入っているので逆エッジのリスクも低い。

DOUBLEが011入門者用におすすめなのに対して、FLAT KINGはある程度グラトリができる人にお勧めしたい1本だ。

3-6.FLAT SPIN LIMITED

FLAT SPIN LIMITEDは独特の形状の板だ。
フラットスピンキャンバーと呼んでいるこの形状はダブルキャンバーを基本として、板の真ん中部分のみフラットになっている。
スピンキャンバーと呼んでいる通常のダブルキャンバー構造と比べると、こちらは多少安定性がある。011のラインナップの中では持っても通常のロッカーボードに近い滑りとなるだろう。

なかなか文章で伝えるのは難しいのだが、滑り心地ははっきり違い、独特のものとなる。
あえて言うなら、011でロッカーボードに近いものを求めている人におすすめできるかと思う。

3-7.STEALTH

確か16-17シーズンから加わったモデルだったと思うが、このSTEALTHはスノーボード界の中でもかなり異質の存在(デザイン的に)。
特徴としては2ステップキックと呼ばれるノーズ(テール)形状をしている。

横から見ると立ち上がり方が2段階に分かれており、最初は緩やかな曲線、途中からフラットに立ち上がるという、DOUBLEとFLAT KINGを合わせたような形状をしている。
過去にこれと似たような形状を持っていたRIMIXというモデルがあったが、特徴的にはまさにDOUBLEとFLAT KINGの中間。DOUBLEが持つ扱いやっすさとFLAT KINGのパワーを足して2で割ったような板だ。

それよりも、むしろデザイン的に目立ちたがりの人におすすめだろう。ノーズとテール部分の5角形形状が前衛的でかっこいい。
ゲレンデでこの板を持っている人をまだ見たことがない。

3-8.D FLY

D FLYはまた、形状が特徴的だ。
FTC(Flat Twin Camber)と呼ばれる形状は、キャンバーベースだが両サイドの地面とついている部分がフラットになっている。
なかなか他でも見ない形状だが、これによってオーリーが”抜ける”ことなく確実に弾ける。

また、この板は011の中では最も硬さを持ったものになる。
PEファイバーも縦に2本入っており、しっかりした反発で高く飛びたい人にはおすすめの1本。

3-9.SWITCH

最後の1モデルだが今季から新たに加わったSWITCHというモデル。
この板はフォームコア、ウッドコア、PEファイバーが非対称になるように入っており、板の白い柄のほうをノーズにしてセッティングした場合と、逆に黒い柄をノーズにしてセッティングした場合で滑り心地が変わってくる。
つまり、どちらが板の前方かということが決まっていない板。011によると、その日の気分ややりたいトリックに合わせて自由にセッティングを調整して楽しめるようにというコンセプトで作られている。

なかなかおもしろい試みで、他メーカーにはない発想だと思うが、ターゲットは自分で板のセッティングを頻繁に行いたいというコアユーザーになる。
初心者や、1本目として板を買う人にはお勧めできないが、フレックスの具合も部分部分で異なるため新たなスタイルを出したいという人はこの板を使ってみるといいのではないだろうか。

4.3フレックスオーダーシステム「SELECT」

こちらも011の新しい試み。
ユーザの好みに合わせて、SOFT、NOMAL、MIDIUN HARDの3種類から板の硬さを選べるというシステムだ。

011はもともと、各モデルに関してのLimitedバージョン(LTD版)というラインナップを展開していた。一番の違いはデザインで、通常、011の板は黒をベースにした配色でラメを含ませた塗料を用いているが、歴代のLimitedモデルはシルバーベースでラメ含有の塗装というものが多い。はっきり言って、こちらのほうがかなり目立つ。ゲレンデで持っていると、光の反射もあってキラキラ輝いて見える。
また、例えばコアに入っているPEファイバーの本数が多かったり、構造が豪華になっているものもあった。
Limitedというだけあり、価格も若干高かったのだが、各モデルそれぞれに対して6、7本ずつしか生産されていないという貴重なモデルで、そもそも入手するのが困難であった。

2017-2018はこのLimitedモデルというのが無くなり、かわりに「SELECT」が出てきている。
従来のLimitedモデル同様、塗装はシルバーベースの大粒ラメ入りでかなり輝く。

「DOUBLE」をベースにしたものと「FLAT KING」ベースのものの2種類の中から選べるようになっている。

5.まとめ

以上、011 Artisticについて説明してきた。
011はかなりこだわってボードをつくっており、国産メーカーということもあるためか日本の山で滑るのに適している。価格はほぼ一律で¥90,000ぐらいするのでボードにこだわりを持った人向けになると思うが、上達速度が変わってくるので、ぜひおすすめしたいブランドだ。

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