なかなか知られていないスノーボード競技の種類まとめ

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夏真っ盛りなのだが、ニュージーランドでは今、スノーボードのW杯の1戦が行われている。
たまたまニュースで「スノーボードW杯 スロープスタイルで鬼塚雅が準優勝」と見かけて思ったのだが、世間ではスノーボードの競技種目に関して知られていないのではないか。。。
かくいう自分もスロープスタイルなんて知ったのはここ4、5年のこと。そもそも昔はなかったように思う。

というわけでスノーボードの競技種目に関して、W杯をベースにまとめてみる!

1.スノーボード世界大会に関して

日本でスノーボード競技大会と言えば一番有名なのは間違いなくオリンピック。
むしろこれ以外は地上波で放送されることなどほとんどない。
「え?スノーボードってワールドカップあるの??」
とか思われる方も多いと思う。

スキー、スノーボードの国際統括団体は国際スキー連盟(FIS)という。1924年にフランスで創立しフランス語名からなぞってFISと呼ばれている。スキー連盟と呼ばれているが、スノーボードも統括する。

スノーボードには3大世界大会があり、一つはオリンピック、二つ目はワールドカップ(W杯)、三つ目が世界選手権大会(World Championship)だ。
オリンピックは国際オリンピック委員会が主催だが、W杯と世界選手権大会はFISが主催。

オリンピックに関しては説明不要だろう。言わずと知れた4年に1度の世界大会。
次回の冬季開催は2018、2022年と続いていく。
主催はあくまで国際オリンピック委員会だが、FISも少なからず運営に絡んでいる。

W杯は毎年開催される(サッカーとは違う)。
 短期間の大会というわけではなく、トータル10~20試合を世界中の各国で開催し、ほぼ1年中どこかの国で行っている。各試合の上位者にはポイントが付与され、シーズンを通しての総合ポイント上位者が優勝となる。
また、オリンピックの中間年にグランドファイナルと呼ばれる各競技が一堂に会した大会が開催される。

世界選手権大会は2年に1度の開催。約10日間かけて集中的に行われる大会である。
実は、現在、世界選手権大会というのは2つ存在する。
かつて、FISとは別に、国際スノーボード連盟(ISF)という団体も存在した。スノーボードの世界選手権大会はISFが先発で始め、対立団体であったFISのほうが追従する形で開催を始めた。
2002年にISFは解散してしまい、その後、世界スノーボード連盟(WSF:World Snowboarding Federation)という団体ができる。
2012年からFISの大会とは別に、WSF主催の世界選手権大会が4年に1度のスパンで開催されるようになっているため、現在では2つある。
なかなか、わかりづらく、まだ2大会しか開催されていないのでどのような位置づけになっていくかは今後の動き次第だと思う。

2.スノーボード競技種目

では、本題の競技種目に関してだが、W杯ベースで考えると競技は大きく下の3種類に分かれる。

1.フリースタイル
2.アルペン(アルパイン)
3.スノーボードクロス

更に、フリースタイルは、ハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエアーという3種類、アルペンは回転、大回転、スーパー大回転、ダウンヒルの4つにに分かれる。
他にもチーム戦などあるのだが、とりあえずこれだけ知っていれば、後は見慣れないものが出てきてもどのような競技かなんとなく理解できるだろう。

2-1.フリースタイル(FS)

2-1-1.ハーフパイプ(HP)

スノーボード競技の中でおそらくもっとも有名な競技なので、説明しなくてもイメージがつくと思う。
半筒型にくりぬいた形状のコース内を振り子のように滑って技を繰り出す。

コースの形状は通常

幅  15m-20m
長さ 120m-160m
高さ 6m-7m

となっているが、それよりも大きな場合もある。

選手は5、6回ほどトリックを決め、数人(4人から6人が多い)のジャッジの審査によって得点付けがされる。
判定基準は「技の難易度、技の完成度、着地の安定性、技の高さ、技の構成」などで採点される。

ちなみに、ハーフパイプには”ショーン・ホワイト”というレジェンド的な選手がいる。短距離走で言うところのウサイン・ボルトのような人物で世界中から圧倒的な人気を誇る。彼の滑りは抜群の高さを誇り、技の難易度、安定性どれをとってみても他の選手を圧倒している。
まだ(2017年現在)現役なので、是非一度彼のパフォーマンスを見るといい。

2-1-2.スロープスタイル(SS)

コース内にレール、ボックスなどのジブアイテムとキッカー(ジャンプ台のこと)が設置してあり、それらを使って技を繰り出す競技。置いてある、アイテムの種類、キッカーの数、サイズなどは会場によって全く異なり、選手には事前に知らされないことも多い。
大きいサイズのキッカーではリップ(ジャンプ台のヘリ、飛び出し地点)からランディングポイント(着地用の斜面)までの距離が25mを超えていたりする。

審査は数人の審査員が技の難易度、完成度、安定性、構成から採点し、通常2本滑ったうちの良いほうを得点として採用する。レールやボックスなどは差がつくことは少なく、言わばできて当然のアイテム。ミスをしたり使用しない場合は大きく減点される。
むしろ、得点差がつくのはキッカーでの技のほうなので各選手最大限につくりこんだジャンプを見せる。他の競技と比べて、非常にパフォーマンス性が高い競技なので、見ていても楽しめると思う。

2-1-3.ビッグエアー(BA)

ワンメイク(OM)とも呼ばれる。こちらは、スロープスタイルと違い、ひとつのビッグキッカーを飛び、技の難易度、完成度、安定性を競う。通常2本滑って良いほうの得点を採用する。スロープスタイルが台頭し始めてから、徐々に注目を集めることが少なくなっている気がするが、W杯の競技としてはまだまだ重要な位置づけである。

かつては札幌で年に1度、TOYOTAが主催するTOYOTA BIG AIRという大会が行われていた。日本の大会なのだが、海外からのエントリーもあり、世界トップクラスの選手をゲスト選手として予選シードで招待するなど世界大会のひとつのようになっていた。そのせいか、日本人のエントリーは多いのだが、入賞することが少ないという状況だったが。。。
スノーボード大会としては珍しく地上波で放送されていたので、ネット端末が広まっていないころにはよく見ていた。今では、Web上で大会の模様を見ることもできるので便利な世の中になったな。残念ながら、TOYOTA BIG AIRは2014年大会を最後に終了してしまった。

2-2.アルペン(アルパイン)

フリースタイルとは違い、アルペン競技はスタートからゴールまでのタイムを競うスピード競技。回転、大回転などの競技名を聞いたことがあるかもしれないが、アルペン競技は細分すると以下の4種類になる。

・回転(スラローム:SL)
・大回転(ジャイアントスラローム:GS)
・スーパー大回転(スーパージャイアントスラローム:SG)
・滑降(ダウンヒル:DH)

アルペン競技では1対のポールまたはフラッグ(旗門という)の間をターンで通過しながら滑走する。基本的な考え方は、回転競技が一番ターンが細かく、大回転、スーパー大回転、滑降となるほどターンも大きく、滑走距離も長くなる。
また、対になっている旗門の外側のものは、コースパターンが単調でわかりやすく、必要がないと判断される場合は省略されることもある。

2-2-1.回転(スラローム:SL)

アルペン競技の中では最もコース長が短く(標高差180~220m)、旗門数は多く(55~75程度)なっている。
旗門間隔も13m前後になっているものが多く、細かいターンを要求される。短い滑走距離の中で細かいターンを要求されるため、ターンの技術力、集中力が重要となる。
通常、予選、決勝と2本ずつ滑り、合計タイムで勝敗を決める。

2-2-2.大回転(ジャイアントスラローム:GS)

回転と比較すると、コース長が長く(標高差300~450m)、旗門数は少なくなる(約39)。
旗門間隔も23m前後に設定されるものが多く、比較的大きなターンをしてタイムを競う。
高速滑走とターンの技術を要求される、アルペン競技の基本形ともいえる。
回転と同様、通常、予選、決勝と2本ずつ滑り、合計タイムで勝敗を決める。

2-2-3.スーパー大回転(スーパージャイアントスラローム:SG) 

大回転よりもさらにコース長が長くなり(標高差400~650m)、旗門数も少ない。
4種類の中では一番最近に考案された競技で、大回転と次項の滑降競技の中間的位置づけの競技となる。高速滑走を基本とする中でターンの技術も要所で要求されるため、持久力が重要となる。
回転、大回転と違い、予選、決勝1本ずつの滑りとなる。

2-2-4.滑降(ダウンヒル:DH)

上記3つと異なり、純粋な速さを競い合う競技。コース長も最も長い(800~110m)。
旗門は設置されているが、ターンを要求するためというよりはコースを明示するためという位置づけになる。
時速100kmを超えることもあり、高速滑走の能力を要求される。
スーパー大回転同様、予選、決勝1本ずつの滑りとなる。

2-2-5.パラレル競技に関して

回転、大回転に関しては「パラレル○○」と頭につくことがある。
これは同時滑走人数の違いを示し、パラレル○○の場合には2人の選手が同時に滑る。見ている観客にとっては、どちらが勝者かがわかりやすいため面白くなっている。
より正確には、予選の際には1人ずつ2本滑りタイムを競い合い、決勝トーナメントへ通過した際に、2人ずつ滑り勝者の勝ち抜け制となる。

2-2-6.アルペン用ボードに関して

アルペン競技で使用するスノーボードは通常のものと少し異なる。形状は下の画像のようにノーズ部分がつぶれた円形で少し反り上がり、テール部分は角ばった形状で反り上がりもない。また、通常のフリースタイルと比較してかなり硬い板となっており、反発しない。
こうした違いはターンのキレや滑走の安定性を増すための工夫である。


アルペンスノーボード

ブーツも通常とは異なりスキーで使用するようなハードブーツとなる。ビンディングも踏めば自動でロックされるような形状のものとなっており、通常のスノーボードと比較するとかなり前方へ向くような角度で取り付けられる。


アルペンスノーボード用ブーツ

こうした板は、一般的なスノーボードショップにはなかなか売っていない。
一部のプロショップで取り扱っており、価格も15万くらい平気でいくので、ゲレンデで見かけることも少ない。

以上、アルペン競技に関しては旗門の設置方法も異なり、設置パターンも大会によって様々あるため分かりづらいことが多いのだが、基本的には違いに関して押さえておけば、見ている際の面白さも異なってくるだろう。

2-3.スノーボードクロス(SBX)

スノーボードクロスは比較的新しい競技で、コース内に複数のキッカーやウェーブ、バンクなどを持つ障害物レースのような競技。4~6人が同時にスタートし接触や転倒が多発するため「雪上の格闘技」と呼ばれることもある。
コースの全長は1000m前後ということが多い。


ソチ5輪の際のコース

 勝利のためには上半身をうまく使った加重抜重による加速調節が重要になる。この動作をパンピングと言い、例えばウェーブの場合だとコブの頂点にたどり着くタイミングで上半身を伸ばし抜重し、その後斜面で加速するタイミングで上半身を縮めることで加重し加速する。
この動作とコースのラインどりが非常に重要になってくる。

個人的には先行する選手による”巻き込み事故”が多発するため、あまり好みではない。。。

プロテクターやヘルメットの着用が必須。
タイムを競うということもあり、使用するボードはアルペンで使用するものと同じタイプとなる。

以上、スノーボードの競技種目の紹介である。
今回紹介した競技はスノーボードクロス以外はスキーでも同様の種目がある。スキーの場合はそれ以外にも、モーグルやエアリアル、クロスカントリーといった競技もあり、スキーならではの魅力がある。

スキー、スノーボードの競技人口は日本では1990年代をピークに低下し続けている。
ウィンタースポーツの愛好家としては非常にさみしい限りだ。
冬季オリンピックの年には地上波でも放送され、盛り上がるはずなので。是非競技の種類について押さえた上で競技観戦を楽しんでもらいたい。

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