スノーボードギアカタログ2019-2020:ビンディング-UNION

本文上広告




Pocket

スノーボードビンディングの中ではFLUXと並んで圧倒的な人気を誇っているUNION。ビンディングのみを開発しており、他の製品はラインナップ上に存在しない純ビンディングメーカーである。

ここではUNIONのラインナップの紹介とそのテクノロジーを中心に紹介して人気の秘訣に迫る。

1.UNION BINDINGに関して

「ライダーとボードを一体化させるパーフェクトなビンディング」をコンセプトにスタートしたブランド。FLUXと対を成してビンディングに関しての2大人気メーカーとなっている。そのコンセプト通り、ボードのフレックスを自然にライダーに伝えられるビンディング開発を目指している。

2005年に発足したアメリカのブランドであるが、日本市場に対してかなり真剣に取り組んでいる。ビンディングのみのラインナップとなっている純ビンディングブランドであるにも関わらず、自社工場を持っており開発から設計、製造まで自社で行っている。

素材開発に対する姿勢がかなり積極的で、スタンダードな樹脂のみならず、アルミニウム、マグネシウム、カーボン等多彩な素材をビンディング用にアレンジして組み入れている。その結果、非常に軽量かつ強靭な製品という特徴となっている。

2.モデルラインナップ

2‐1.STRATA

STRATAは、現在UNIONの中でおすすめとなっている定番モデル。

UNIONビンディングの代表的な特徴として、Mini Diskとブッシング素材というものがある。通常、ビンディングと板はディスクと呼ばれる部品を介して、取り付けの角度付けと、ビスによる固定がされる。ディスクの周辺部分は別部品となっており、板との固定もされていないため、ディスク部分よりも不安定な状態となっている。この構造により、ディスク部分と周辺部分では、板への力の伝わり方が異なる不均一な状態である。

UNIONはこのディスク部分を”デッドスポット”と呼び、通常よりも小さいMini Diskという構造で、極力少なくすることを提唱している。ディスク部分が小さくなることで、不均一な領域を極力減らし足裏感覚を向上させる、広くなった均一な領域にUNION独自の素材を挟み込むことで、板への力の伝わり方を自在に調整できるといったメリットが出てくる。この素材がブッシング素材である(ブッシングと呼んでいるのはビンディング底の板と接触する領域)。

STRATAではブッシングにフューズドバポライトというラバー素材を採用することで、比較的硬めの設定となっている。これにより、素早い反応速度と衝撃吸収性を両立している。


通常のディスク構造のブッシング(4Point Multidensity Thermoformed EVA)


Mini Disk構造のブッシング(Fused Vaporlite)

ハイバックは非対称なホール構造を持たせることで、内側に膝を入れやすい構造になっている。

ヒールカップはアルミ製で強度と軽量化を両立。ラチェット素材にはアルミよりさらに軽量のマグネシウム素材を使用している。

ミディアムフレックスで軽量なため、カービングからフリースタイルまで、幅広く対応できるオールラウンドモデルである。

2-2.FORCE

FORCEもUNIONの人気モデルのひとつである。STRATAと並び、ミディアムフレックスでオールラウンドに使える。

STRATAとの一番の違いはディスクとブッシング素材。通常サイズのディスクにマルチデンシティー・サーモフォームドEVAというブッシングを使用している。これはEVA(エチレン ビニル アセテート)の発泡性素材(フォーム素材)をベースプレート角の4点に採用することで、ディスク部分などのプレッシャーポイントを軽減し、均一な足裏感覚を目指したもの。ディスク自体がSTRATAのMini Diskより大きいため、しっかりとした安定感が増している。

ハイバックは縦に1本入っているスリットが左右のトーションをやわらかくし、その左右に4列並んでいるホールによって軽量化が図られている。

ミディアムフレックス、軽さと耐久性、シンプルなデザイン、すべてにおいてバランスの取れたモデルとなっている。UNIONのMini Diskの効果を実感したいというユーザーはSTRATA、無難な王道でのオールラウンドモデルが欲しいというユーザーはFORCEをお勧めする。

2‐3.CONTACT PRO

現在のUNIONラインナップの中でフリースタイル派におすすめなモデルがCONTACT PRO。

Mini Disk採用でブッシング素材にはEVA素材を採用。STRATAのフューズドバポライトよりも柔らかい素材で、トリック時にきれいにスタイルを出すことができる。

ハイバックは軽量かつやわらかめのフレックスとなる形状。

フリースタイルモデルとしてバランスの取れた製品である。

2‐4.ULTRA

UNIONが誇るハイエンドモデルのひとつがULTRA。ハードフレックスで軽量なモデルである。

ULTRAにはUNIONが新素材としてアピールしているFC(Forged Carbon:フォージド カーボン)が使用されている。このFC素材は世界屈指のスーパーカーブランド、ランボルギーニのラボで共同開発された結果生まれた素材で、最軽量かつ強靭な硬さを持つ。従来のカーボンファイバーは一定方向にしか剛性を発揮しなかったが、FCでは様々な方向からのインパクトに耐えることができ、複雑な3D形状に使用することも可能である。

UNIONではこのFC素材をハイエンドの数モデルに採用しており、未来の製品につながる重要要素と位置付けている。

ULTRAではこのFC素材をハイバックに使用しており、非常に軽量にもかかわらず硬めのフレックスを実現している。

ハイバックはかなり硬めだが、乗り心地が硬めなのかというと、そうとも言い切れず、板のフレックスを自然に感じられる5%接地のMini Diskの特徴を合わせ持っている。板との接触部分には固めのラバー素材を使用することで、衝撃吸収性とクイックレスポンスを出している。

ベースプレートにはナイロンにグラスファイバーを織り交ぜた素材を使用。こちらも、軽量化に寄与している。

オールラウンドに使える比較的硬めで軽量なビンディングが欲しいなら、ULTRAはかなりおすすめ。

2‐5.FORGED FORCE

FORGED FORCEは、UNIONが誇るハイエンド技術をすべて詰め込んだフラッグシップモデル。価格もビンディングとしては異例の高価格となっている。特徴的なのはその軽さ。FC素材をふんだんに使い、現在の業界内最軽量ビンディングといえる。

FC素材はULTRAでもハイバックに採用されていたが、FORGED FORCEではハイバックの他、ヒールカップにもFC素材が使用されている。ヒールカップはビンディング重量の大部分を占めるが、UNIONの通常モデルではアルミ素材が使用されている。FORGED FORCEでは、そのヒールカップにFC素材を採用することで、更なる軽量化を実現している。また、ハイバックセンター部分には、より強度の高いハニカム構造を持っているため、フレックスもさらに硬め。

Mini Diskが採用されており、板とのブッシング部分はラバー素材とFC素材を組み合わせたものとなっている。高反応性、高衝撃吸収性、軽量化をすべて実現している。

フレックスはかなり硬めとなっているため、使用ユーザーはカービングをメインにプレーする人になってくるだろうが、価格に見合った価値があるモデル。

2‐6.FALCOR

トラビス・ライスのシグネチャーモデルとしてリリースされているモデルがFALCOR。個人的にはUNIONのビンディングの中で一番のおすすめ品である。

構造はULTRAに似ており、ベースプレートはナイロンベースにグラスファイバーを織り込んだ素材。Mini Disk採用モデルである。ボードとの接触部分は比較的硬めの素材となっているが、3度のカント(傾斜)が入っており、内側より外側の方が若干高さがある。これによって、滑走中に左右の足の位置が自然な位置に来るようになっている。

特徴的なハイバックは、大きく切り抜いたホールの中にFC素材でできたY字型のパーツが組み込まれている。この組み合わせによって、軽量化、柔軟性、耐久性を合わせ持ったハイバックとなっている。

少し硬めで、軽量なハイバックが欲しいユーザーにおすすめのモデルである。

2‐7.ATLAS

ATLASはレギュラーディスク採用のモデル。

位置づけ的にはFORCEに近いモデルといえるが、ATLASでは足元に3度のカントが入っている、ベースプレート素材が、クラスファイバー配合のナイロンでより高性能なもの、アンクルストラップがハニカム上のホールを持った構造になっており、軽量になっているなどの違いがある。

また、ハイバックは左右非対称の構造になっており、内側に対しての柔軟性を持っている。

FORCEは非常に無難な王道設計となっているということもあり、個人的には、FORCEよりもATLASをおすすめする。

2‐8.STR

STRもベースプレート底にカントが入っており、膝が内側に入りやすくボードのセンターにも乗りやすいモデル。カービングからフリースタイルまで幅広く対応でき、軽さと機能性を備えながらもコストパフォーマンスの良いモデル。

ハイバックは左右非対称構造で、内側に対する柔軟性を持っている。

カービングからフリースタイルまで、オールラウンドに対応できるモデルである。

2‐9.FLITE PRO

FLITE PROもSTR同様コストパフォーマンスの高いモデル。

ベースプレートの素材は、通常のナイロンベースのものだが、成型方法が独自のものとなっており、少量で十分な強度が出せる。そのため、この価格帯としては業界最軽量ともいえる軽さとなっている。

特徴的なハイバックは、極限まで軽量化させるべく多くのラインを組み合わせたような形状をしている。剛性と軽量化を推し進めた結果至ったのがこのハイバック形状だが、見た目のデザインも特徴的でかっこよくなっている。

STRよりもやわらかめのフレックス、かつ軽量、安価なモデルが欲しい場合はFLITE PROという選択になる。

3.まとめ

UNIONの代表的なラインナップを紹介したが、UNIONブランドの印象は、とにかく素材にこだわっているといったところである。素材開発にはかなり大掛かりな設備や資金が必要になるが、ビンディング専門のブランドとしてこれをやっているという事実には感嘆する。ワールドワイドにおいてトップを走っているブランドだからこそできる、UNION固有の特徴なのだろう。

よく、UNIONとFLUXの違いはと聞かれることがあり、ショップ店員でも「ほとんど違いはなく、海外ブランドか国内ブランドか含めて好みで選べばよい」などという人がいるが、ちゃんとラインナップやテクノロジーを調査すると、はっきりとした違いがあることに気づく。そのあたりは下の記事で紹介している。

2大ビンディングブランドUNIONとFLUXの違い

Pocket