スノーボードギアカタログ2017-2018:ビンディング-UNION

本文上広告




Pocket

スノーボードビンディングの中ではFLUXと並んで圧倒的な人気を誇っているUNION。ビンディングのみを開発しており、他の製品はラインナップ上に存在しない純ビンディングメーカーである。

ここではUNIONのラインナップの紹介とそのテクノロジーを中心に紹介して人気の秘訣に迫る。

1.UNION BINDINGに関して

「ライダーとボードを一体化させるパーフェクトなビンディング」をコンセプトにスタートしたブランド。FLUXと対を成してビンディングに関しての2大人気メーカーとなっている。そのコンセプト通り、ボードのフレックスを自然にライダーに伝えられるビンディング開発を目指している。

2005年に発足したアメリカのブランドであるが、日本市場に対してかなり真剣に取り組んでいる。ビンディングのみのラインナップとなっている純ビンディングブランドであるにも関わらず、自社工場を持っており開発から設計、製造まで自社で行っている。

素材開発に対する姿勢がかなり積極的で、スタンダードな樹脂のみならず、アルミニウム、マグネシウム、カーボン等多彩な素材をビンディング用にアレンジして組み入れている。その結果、非常に軽量かつ強靭な製品という特徴となっている。

2.モデルラインナップ

2‐1.CONTACT

長年のUNION製品の中で定番となっているモデルのひとつがCONACT。比較的やわらかめのフレックスを持ち、パークやジブ、パウダーを中心に幅広く対応する。ボードのフレックスを感じながら板を繊細にコントロールしたいユーザーにおすすめの他、やわらかめなため初心者にもおすすめできる。

キーとなる特徴はボードとビンディングの接している部分がわずか5%というMini Disk Baseである。UNIONの製品コンセプトの中にはボードの持つ自然なフレックスをビンディングが極力邪魔しないようにというものがある。その結果たどり着いたのは、ボードとビンディングの接地部分を必要以上に広げないという工夫。CONTACTではDisk部分の接地を少なくすることによって、自然なレスポンスとフィーリングを得られるようになっている。

またディスク素材にはデュラフレックスという非常にやわらかい樹脂繊維が織り込まれており、柔軟なフレックスを実現している。ベースプレート底にはEVA(エチレン ビニル アセタート コポリマー)というゴムのようなやわらかさが出せる素材を採用。強度は異なるがEVA樹脂はサンダルの底などによく使用される素材と言えば想像しやすいだろうか。

一方でヒールカップはアルミ素材で、軽量かつ強靭となっている。アルミはストラップについているラチェットにも使われている。

ハイバックはアジャスターが一つついている以外、スリットや凹凸などはなくシンプルな見た目。よく見ると形状が外側に少しだけひねりを加えたものになっており、ブーツとのフィッティング性能が高まっている。

2‐2.CONTACT PRO

CONTACTより硬めでハードなレスポンスを実現しているモデルがCONTACT PRO。基本ベースはCONTACTを基にしているのだが、かなり異なる部分が多いので全く別物と思ったほうが良いだろう。

一番の違いはベースプレートの素材。CONTACT PROではデュラフレックスを配合しているデュラフレックスSTナイロンというもので、CONTACTよりも硬めとなっている。

また、見た目にもわかるハイバックの形状も異なる部分。CONTACTの持っている柔軟性はそのままに軽量化が図られている。

細かい部分ではストラップについているラチェットの素材がマグネシウムになっており、アルミのCONTACTよりも重量が1/4となる。

逆に同様の特徴はボードとの接地面の少ないMini Diskである。

2‐3.ULTRA

UNIONが誇るハイエンドモデルのひとつがULTRA。CONTACT PROよりもさらにハードで軽量なモデルである。

ULTRAには現在UNIONが新素材としてアピールしているFC(Forged Carbon:フォージド カーボン)が使用されている。このFC素材は世界屈指のスーパーカーブランド、ランボルギーニのラボで共同開発された結果生まれた新素材で、最軽量かつ強靭な硬さを持つ。従来のカーボンファイバーは一定方向にしか剛性を発揮しなかったが、FCでは様々な方向からのインパクトに耐えることができ、複雑な3D形状に使用することも可能である。

UNIONではこのFC素材をハイエンドの数モデルに採用しており、未来の製品につながる重要要素と位置付けている。

ULTRAではこのFC素材をハイバックに使用しており、非常に軽量になっている。また、そのためハイバックのフレックスもかなり硬め。

ハイバックはかなり硬めだが、乗り心地が硬めなのかというとそうとも言い切れず、板のフレックスを自然に感じられる5%接地のMini Diskの特徴を合わせ持っている。また、ベースプレートにはデュラフレックスにカーボンを織り交ぜた素材を使用。板との接続部分にはヴァポライト2.0という衝撃吸収性の高い素材を使用しているため、のり心地もやわらかくなる。

ストラップ部分もエクソフレーム/エアアンクルストラップという、何層も違う素材を重ね合わせたフィッティング性能の高いものとなっている。

オールラウンドに使える硬めのビンディングが欲しいならULTRAはかなりおすすめ。

2‐4.ULTRA FC

ULTRA FCはUNIONビンディングのラインナップで最も高価なフラッグシップモデル。FC素材をふんだんに使った、現在の業界内最軽量ビンディングである。

ハイバックでFCはULTRAでも採用されていたが、ULTRA FCでは形状が異なる。より強度の高いハニカム構造をセンターに持っているため、フレックスもさらに硬め。

一番の特徴はヒールカップにFC素材が使用されている点。ヒールカップはビンディング重量の大部分を占めるがUNIONの通常モデルではアルミ素材が使用されている。ULTRA FCではそのヒールカップをFC素材にすることでかなりの軽量化を実現している。

ベースプレートはカーボンファイバーを使用したX-CARBというもの。ストラップはもちろんエクソフレーム/エア構造のもの。

カッチカチのフレックスとなっているため、使用するべきユーザーはカービングやフリーライドタイプの人に限られてくるだろうが、価格に見合った価値はあるモデルとなっている。

2‐5.FALCOR

トラビス・ライスのシグネチャーモデルとして今季フルリニューアルしたモデルがFALCOR。個人的にはUNIONのビンディングの中で一番のおすすめ品である。

構造はULTRAに似ており、ベースプレートはデュラフレックスにカーボンファイバーを織り込んだデュラフレックスCBナイロン。比較的硬めの印象になっているが、ボードとの接触部分がヴァポライト3.0という構造で3度のカント(傾斜)が入っており、内側より外側の方が若干高さがある。これによって、滑走中に左右の足の位置が自然な位置に来るようになっている。

特徴的でULTRAとの大きな違いとなっている部分はハイバック。大きく切り抜いたホールの中にFC素材でできたY字型のパーツが組み込まれている。この組み合わせによって、軽量化、柔軟性、耐久性を合わせ持ったハイバックとなっている。

少し硬めで、軽量なハイバックが欲しいユーザーにおすすめのモデルである。

2‐6.ATLAS

ATLASは足元に3度のカントが入っているのが特徴的なモデル。フレックスはやわらかめになっている。

ベースプレート素材はデュラフレックスSTナイロンをさらに硬くしたステージ3デュラフレックスSTベース。CONACT PROよりも硬めのフレックスとなっている。一方で、ハイバックは網目状に穴が開いており適度な柔軟性と軽量化が図られている。

FALCORよりもやわらかめでカントの特徴を持っているビンディングが欲しい場合におすすめ。

2‐7.FORCE

7番目の紹介となってしまったが、FORCEはミディアムフレックスでオールラウンドに使えるUNIONの定番モデル。快適なフレックス、軽さと耐久性、シンプルなデザイン、すべてにおいてバランスの取れたモデルとなっている。

ベースプレートの素材はデュラフレックスSTナイロンで適度なフレックスを持っている。特徴的なのはハイバック。縦に1本入っているスリットが左右のトーションをやわらかくし、その左右に4列並んでいるホールによって軽量化が図られている。

現在はカーボンをと入れたもの、カントを取り入れたものなど様々な工夫の入っているモデルが多くあるが、FORCEは良くも悪くもとがった特徴のない標準ともいえる設計となっている。

2‐8.STR

STRもベースプレート底にカントが入っており、膝が内側に入りやすくボードのセンターにも乗りやすいモデル。カービングからフリースタイルまで幅広く対応でき、軽さと機能性を備えながらもコストパフォーマンスの良いモデル。

コストを押さえられているのはベースプレートにシンプルなデュラフレックスベースを使用しているため。ベースプレートの性能はハイエンドモデルほど高くないが、ハイバックにはマルチレイヤーのナイロン素材が使用されており、ヒールサイドのサポート性とコントロール性を向上させている。

2‐9.FLITE PRO

FLITE PROもSTR同様コストパフォーマンスの高いモデル。

ベースはSTR同様デュラフレックス配合ベースプレート。一番の特徴はハイバック。極限まで軽量化させるべく多くのラインを組み合わせたような形状をしている。剛性と軽量化を推し進めた結果至ったのがこのハイバック形状だが、見た目のデザインも特徴的でかっこよくなっている。

STRよりもやわらかめのフレックス、かつ軽量、安価なモデルが欲しい場合はFLITE PROという選択になる。

3.まとめ

UNIONの代表的なラインナップを紹介したが、UNIONブランドの印象はとにかく素材にこだわっているといったところである。素材開発にはかなり大掛かりな設備や資金が必要になるが、ビンディング専門のブランドとしてこれをやっているという事実には感嘆する。ワールドワイドにおいてトップを走っているブランドだからこそできるUNION固有の特徴なのだろう。

よく、UNIONとFLUXの違いはと聞かれることがあり、ショップ店員でも「ほとんど違いはなく、海外ブランドか国内ブランドか含めて好みで選べばよい」などという人がいるが、ちゃんとラインナップやテクノロジーをとらえてみると、はっきりとした違いがある。そのあたりは下の記事で紹介している。

2大ビンディングブランドUNIONとFLUXの違い

Pocket