図面が変わってる!?
2022/2/12(土)
この日、現場で壁紙の下地作りを見ていた際にリビング西側の壁を見てふと思う。
「あれ、こんなところに穴が3つもあるんだったかな?」
壁の穴はエアコン配管用にあけられているもの、天井右側にある四角い穴はエアコン用のコンセントだろう。
では、左の丸い穴は何??
換気用ダクトにしてはエアコンに近すぎる。こんなところについていた記憶はない。
というわけで、自宅に帰って、施工開始後に積水ハウスから届いた製本版の図面を見てみる。すると、なんとアメニティ換気システムの配管位置が、こちらが最終確認して承認印を押した図面と変わっていることに気づく!
エアコン横の天井に開いていた穴は換気用ダクトの穴。
えぇー、この変更点、聞いてないけど。。。
最終確認時点の図面での換気配管部分はこちら。
その後、製本された図面での換気配管部分はこうなっている。
いやいや、長くなりすぎでしょ!無駄が多すぎでしょ!
そして、この変更によって致命的に気になる点が発生している。西側の立面図を見ると分かるが、2階北側の部屋のエアコン配管口から、まっすぐ下に配管をおろす際に、この1階の換気口と干渉してしまうようになっている。。。
もともと外壁の配管や竪樋の位置は、かなり気にしてつくっていたため、無断でこういう変更をされると、さすがにキレそうになる。。。
というか建築請負契約書に、「積水ハウスは設計上の変更点を施主に報告する」という記載があるため、未承認の変更内容で建物つくっちゃいましたとか、完全に契約違反だし。
設計担当に確認
というわけで、設計担当にどういうことか確認する。
外とつながる換気口位置に関して。
まず、元の図面で北側に出ていた配管は、部材手配する際に工場、部品メーカーから2階トイレの配管と干渉してしまうため、施工できないと連絡があったとのこと。
2階トイレは、真下がバスルームになっているため、そのまま配管を通すことができず、1階天井裏を横に通して、北東隅に設けたパイプスペースから床下までおろしてきている。下図の黄色いスペースが配管。
なので、この位置から変える必要が出たとのこと。
では、その横の西側にあったものに関してはというと、2階の西側床をオーバーハングさせ、1階より外側に飛び出しているという構造にしたため、換気システム用の配管を通せないとのこと。
唯一、通すことのできるオーバーハングが無くなった北東部分は、ガス乾燥機の配管を出してしまっているため、ここを通すことができなくなってしまったらしい。下図の赤い部分。
というわけで、こちらも位置を変える必要が出たとのこと。
この2本をどこに出すか検討した結果、1本は階段横の建物北側の壁。北側は比較的気にするものが少ないので、出せるのなら北側がいい。
もう1本は、ここより西の北側外壁に出したいところだが、その場合、ダクトの長さが長くなりすぎ、法律上の換気効率を満たせなくなってしまうとのこと。
そこで、西側から出すことにしたが、耐力壁の関係で配管が出せる場所というのが限られており、この位置から出すしかなかったらしい。
……本当かよ。特に耐力壁とか、数値や数式を出してもらわないと理解できない。
リビング室内の換気口がリビング中央から、エアコン横の位置に変更されている点に関しては、これら2つの外部換気口配管が変更になったことによって、リビング中央の換気口位置までダクトの引き回しができなくなり、リビング角に設置する必要が出たとのこと。
エアコンに近いという点に関しては、換気口の向きをエアコンと逆側にすることで、直接エアコンに外気が当たらないように配慮しているようだった。
これも、本当かなぁ。
では、1階の換気口と2階エアコン配管が干渉しないように、2階のエアコン配管穴位置を現在の左穴から、右穴に変えるという案は無かったのか聞くと、できなくはないが、エアコンの取り付け調整範囲が狭くなるので、推奨しないとのこと。
どういうことかというと、2階北部屋の西側壁の内部には構造補強の鉄骨が入っているが、この鉄骨が位置的に、間仕切り壁の内部に位置しているというのがポイントとなる。
エアコン配管を壁に向かって左穴にして、壁ギリギリに穴をあけた場合、エアコンのサイズや位置は穴の位置からサッシギリギリまで調整範囲とすることができる。
一方、右穴にした場合は、鉄骨を避ける必要があるため、サッシギリギリの位置にエアコン用の穴をあけることはできない。反対側は壁までとなるため、位置調整できる範囲が狭くなるという。
また、エアコンのメンテナンス観点でも、積水ハウスでは左穴を推奨しているという。
というわけで、現在の位置になったという。
配管と換気口が干渉するという点に関しては、エアコン穴のほうが30mmほど右にずれているので、上のほうで右側に曲げてから下におろすことで換気口を避けろという。
うーん、まあ、もうつくってしまったものだし、今の図面だと、これが最適な選択だということで、最終的には諦めて了承した。
ただ、結構残念である。
設計段階での打ち合わせ時にも(特に竪樋の位置確認をしているときなどに)思っていたが、典型的なダメ設計を見ている感覚がある。
やりたいことをベースに、何も考えずにつくっていって、最後に都合の悪いところを修正しようとしたら、柔軟性がないので、何かを諦めなければいけなくなったり、想定外の不具合が出ていたりする。
そうではなく、もっと柔軟性や将来の拡張性などに対応できるよう、シンプルで美しい構造設計ができるよう力を入れるべきである。
積水ハウスがダメなのか、建築業界全体でそういう設計ができていないのかは分からないが、正直、電気業界や自動車業界、IT業界と比べると、かなりレベルの低い設計と感じる。
一方で、施工現場の人間はかなり能力が高い印象。
基礎の出来栄えは素人が見ても素晴らしいと感じたし、現場監督はこちらの指摘に対する対応が早くて適格である。
こういう点は感心する。