以前住んでいたワンルームの賃貸マンションでは、部屋が狭く、大型TVを置くスペースがなかった。それでもどうしても大型のTVが欲しかったため、電子ピアノの上の壁に、壁掛け状態で設置する形でTVを置いていた。
5年近くたち、別の物件に引っ越すタイミングでTVを取り外したので、賃貸マンションで壁掛けする方法と反省点に関して記載しようと思う。
1.ワンルームマンションでの大型TV購入のハードル
都心で一人暮らしをする場合、ワンルームの賃貸物件に住むことが多い。多くの場合は、6帖~10帖程度の部屋にベッドや洋服、本、PCなど必要なものすべてを収めることになため、大型(45インチ以上)のTVをおくことが難しい。
筆者も、8帖の部屋に、ベッド、本棚、電子ピアノ、デスク、PCチェア(ゲーミングチェア)、ソファ、テーブルが置いてあり、大型のTVを置くスペースがなかったが、各社が力を入れて開発している大型で高画質なTVが欲しかった。そこで、空いている壁に掛けることで設置できないかと思い至った。
部屋のレイアウト的には、多少高さが出てしまうが電子ピアノの上の壁が良さそう。
さらに、メーカーによっては壁掛けしたときに、壁とTVの隙間部分が小さくできる壁ピタモデルというものが出ている。このモデルを買えば、部屋の広さを保ったままTVが置けるので、狭いところが苦手な筆者にとってはベストな選択肢である。
ただし、実際、壁掛けTVというのは2つの大きな問題があり、ハードルが高い。
- 掛けられる壁が限られている
- 賃貸で壁に穴をあけていいのか
各社が出しているマニュアルによると、壁の内側にある柱部分に壁掛け用のビスを打つこととなっているが、これができる壁が賃貸マンションでは少ない。我が家も、ホームセンターで買ってきた下地センサーなどで調べてみると、ビスが打てるような木製の柱が存在していないようだった。。。どうやら、鉄筋の下地の上から石膏ボードを貼り付け、その上に壁紙を貼った構成になっている模様。
壁の構成が壁掛けマニュアル上対応していない時点で、壁掛け業者に頼んで設置してもらうということは不可能となる。
また、賃貸マンションで壁に穴をあけていいのかという問題もある。通常はNGである。
2.壁掛けする方法
壁の構成がダメだった時点で通常はあきらめるだろうが、筆者はどうしても壁掛けしたかったため、自分で壁を加工して設置することにした。何が起きても、あくまで自己責任である。
ホームセンターなどでは石膏ボードの補強材というものが売られている。
石膏ボードにビスを打とうとすると、打った部分がボロボロと崩れてきてしまうため、うまく固定できない。この補強材は石膏ボードの一部に穴をあけて付属のスポンジを埋め込み、上から薬剤を注入することで、スポンジ周辺の石膏を硬化させることができる。
これを使用して壁を補強することで、TVを壁掛けすることにした。
また、賃貸マンションで穴をあけていいのかという問題は、一応、ビスを打つ当たりの壁紙の一部を残しておき、出るときに穴をふさいで元の壁紙を貼ることで、原状復帰させる方法をとることにした。最悪、出るときに指摘されたら補修費用を払えばいい。おそらく5万円もかからないであろう。
掛けるTVはSONYのKJ-55X9300D。専用の壁掛けユニットを使用することで、壁ピタにできるモデルである。
このモデル、かなり重量が重いということもあり、通常、壁掛けユニットはビス4本で固定するところを、今回12本使用することにした。
専用の壁掛けユニット
設置後の画像がこちら。壁から画面表面までの距離は5cmに抑えられている。
3.5年後に取り外した結果
設置してから5年後、賃貸マンションを出ることになったタイミングで外してみたところ、失敗点がひとつ。壁紙を残しておくために壁紙を完全に切り取らずに、セロハンテープで壁に貼り付けておいたのだが、このテープを貼った部分が黄色く変色している。
テープを長時間貼っておくというのは、絶対に避けるべきと学んだ。
ともあれ、ここから壁を補修する。穴があいた部分は飛び出ているスポンジを切り取り、ホームセンターで買ってきたパテで埋めて平らにならす。
その後、壁紙補修キットで残しておいた壁紙を貼り合わせていく。これが、なかなか優れもので、予想以上にきれいになる。画びょうや釘の穴程度のサイズであれば、絶対に分からなくできると思った。
12か所もあけたので、丸1日かかったが、最終的にはこちら。
きれいに平らにできていないのと、テープで黄色くなっている部分があるため、多少まだらに見える。
しかし、出るときの立ち合いでは特に何も言われず、補修費用の請求もなかった。よく見るとまだらにはなっているものの、ベッドを置いていた部分に残った日焼けあとのほうがよっぽど目立っていた。
4.まとめ
今回、賃貸マンションで壁掛けTVをやってみた方法を記載したが、基本的にTVメーカーや設置業者が出している設置方法とはかなり異なり、何が起きても自己責任である。場合によっては、石膏ボードのかべが崩れて大損害となってしまうということもあり得るため、あまりお勧めはしない。