ブーツの次にしっかりと選びたいのがビンディング(バインディング)。これがブーツとしっかり合っていないと、うまく板へ力が伝わらなかったり、変な部分が締め付けられて足が痛くなったりする場合もある。
というわけで、この記事を読んでビンディングをしっかり選ぶための基礎を知ろう。
目次
1.ビンディング種類
ビンディングは大きく分けると、4種類に分かれる。
1-1.ストラップタイプ
一番一般的で使用者も多いのがストラップタイプ。つま先と足首部分の2か所についているストラップを締めることでブーツを固定する。
このタイプのメリットは一番しっかりと固定できるという点。また、他のタイプは立ったまま履くことを想定しているため初心者は締めにくいという点があるが、このタイプは座ったままのほうが締めやすい。
発売されている種類が多いので、好みに合った硬さやデザインが見つかりやすく、ブーツとの相性問題が一番出にくいという特徴もある。
1-2.リアエントリータイプ
ハイバック部分が後ろへ倒れる構造になっており、ブーツをつま先から入れてからハイバックを引き起こすことで固定するというタイプのもの。ストラップ型よりも広い面積のバンドでブーツと当たるため、ストラップ型の強い締め付けが苦手という場合にはこのタイプを試すといいかもしれない。ただし、人によってはもっと固定力がほしいという場合もある。
立ったままスムーズに装着でき、固定力もあるが、ブーツと相性が悪く合わないという場合もあるため購入する際は要チャック。リアエントリータイプを展開しているブランドで有名なのはFLOW。
1-3.ステップインタイプ
ステップインは踏み込むことで金具がブーツとかみ合い固定されるというタイプ。メリットは何といっても装着のしやすさ。屋内ゲレンデやハイクアップでキッカーを飛ぶ人など着脱回数が多い人に向いている。
ただし、ブーツもステップインに対応しているものでないといけない点、ストラップのように足首部分を固定するものがないためホールド感が弱い点、金具を使用しているため重いものが多い点などデメリットも多い。
こちらのステップインはYONEXが展開しているほか、2017-2018シーズンはBURTONが新たに展開(再展開)する。
1-4.アルペン用
アルペン競技用のギアは通常のスノーボード用品とかなり異なるため、使用する人は限られている。ビンディングに関してはスキーのようにつま先を差し込んでから踏み込む。あえて言うならステップインタイプに近い。
ブーツもハードブーツ、板も通常より硬くて細長いものとなる。
こちらはメリットやデメリットではなく、アルペン競技用の用品で滑る場合に必要となってくる。
2.ビンディング各部の名称
ビンディングの基本構造と名称はこのようになっている。
①ハイバック
ビンディングの後部にあるブーツを支えるためのプレート。足の様々な動きをボードに伝えるサポートをする。いろいろなフレックス(硬さ)があり、プレイのスタイルややりやすさに影響する。ハイバックの立ち上がり角度は調整できることが多い。
②ヒールカップ
ブーツのかかと部分を支える役割をする。ハイバックと違い、硬い構造となる。
③ベースプレート
ブーツの底が接する部分。モデルによりいろいろな素材が使用され、この部分のフレックスによって板への力の伝達速度が変わってくる。ジブやグラトリではやわらかめ、カービングなどのフリーライドでは硬めを選ぶことが多い。
④アンクルストラップ
ストラップ採用のタイプについている足首部分を固定するためのバンド。フィット感に寄与するため、非常に重要な部分。各メーカー様々な形状を開発しており、足の形やブーツとの相性も考えたい。
⑤トゥストラップ
つま先部分を固定するためのストラップ。親指の付け根あたりを押さえるタイプとつま先全体を包み込んで固定するタイプ、どちらにも対応可能なタイプがある。
⑥ラチェット
ストラップを締めるための金具部分。使用頻度が高いため使いやすいものを選びたい。
3.大前提!サイズと相性に関して
3-1.ビンディングとブーツの組み合わせ
ビンディング選びでまず重要なのはブーツと合っているかということ。購入するときには可能な限り、自分のブーツを持参するか、新規ブーツと同時購入してしまおう。
基本的にお店の人と相談すれば大丈夫だが、自分でもチェックするという場合、ポイントは以下のような点。
①ブーツのかかとはヒールカップに収まっているか
ブーツのかかとがヒールカップに収まるかどうかによって板への力の伝わり方が変わってくる。特にヒールサイドのターンをするときなど、小さすぎても大きすぎても力が伝わりにくくなるが、どうしても合うものが見つからない場合は締めることで固定できる大きいほうをおすすめする。
②ブーツがベースプレートに収まっているか
ブーツがベースプレート内に収まっているかも大事なポイント。まず確認したいのはブーツの底が全面しっかりと当たっているかどうか。かかとをしっかりとヒールカップに入れ込んだ際にハイバックが当たってどこか浮いてしまう時にはハイバックの角度調整で対応できることもある。
また、つま先や横幅がベースプレートからはみ出していないかもチェック。ビンディングは大抵S,M,L,XLの4サイズがあるので収まっていなかったり、余っている場合はサイズを見直してみよう。
3-2.ビンディングと板の組み合わせ
板によってビンディングの取り付け方法は何種類かに分かれているため、組み合わせによっては取り付かない場合もある。ビンディングを選ぶ際はあらかじめ自分の板がどのタイプの取り付け構造か確認しておくこと。よくわからなくて心配な時は店員さんに相談しよう。
2×4 (4×4)
ツーバイフォー、フォーバイフォーと読む。一番一般的な止め方で、2列に並んでいる板のビス穴に4本のビスを使って固定する方式。ほとんどのビンディングはこの形式になる。板側のビス穴の並びで板の長さ方向の間隔が2cm刻みなのが2×4、4cm刻みなのが4×4となる。どちらでも取り付くビンディングは同じ。
The Channelシステム
スノーボードに1直線の溝が入っており、2本のビスを使用してビンディングを固定するというタイプ。バートンの板に使用されている形式で左右の取り付け位置の自由度が高い。バートンはこの方式をThe Channelシステム、対応するビンディングをESTもしくはRe:Flexビンディングと呼んでいる。ビンディングも対応していなければいけないため、基本的にバートンの板はバートンのビンディングを使用することとなるが、FLUXやUNIONなど有名ビンディングブランドではThe Channelシステムタイプに対応可能なものもある。
3D
バートンスノーボードに昔採用されていた取り付け方式。3本のビスを使用して固定する。現在このタイプを見かけることはほとんどなくなったが、もしこのタイプの板に取り付くビンディングが必要な場合、バートン製のビンディングに別売りの3Dディスクプレートを使用することとなる。
4.ビンディングのフレックスに関して
フレックスは硬さのこと。ブーツを選ぶ際もフレックスはひとつの指針だが、ビンディングでも同様。フレックスがやわらかいものは初心者でも扱いやすい。また、ジブやグラトリでプレス系の技をする際にはスタイルが出しやすくなる。
逆にフレックスが硬いビンディングでは、力の伝わり方がクイックになり、高速滑走やターンでの安定性、オーリーやキッカーでの高さという面でメリットが出てくる。
硬すぎてもやわらかすぎてもクセが強くなり扱いづらいが、初心者は比較的やわらかめのほうが操作がしやすいと言われているので、ひとつの指針にしてもらいたい。