最近TVerという名前を聞くことがあると思うが、TV番組を見逃してしまった時などに後から視聴できるスマホアプリである。どういうアプリなのか詳細がよくわからなかったので、実際に使ってみた。
1.TVerとは
最近TV CMや番組が終わる間際に宣伝されることがあるので、名前は聞いたことがあると思うが、「TVer(ティーバー)」というアプリが巷では流行っている。
このアプリ、2015年に配信開始されたもので、テレビ番組が無料で視聴できる。元々の目的は番組の違法配信やダウンロードを防止するという目的で、日テレ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビの5社が共同で立ち上げた。
使用すると視聴中に何度か(20分に1度程度)スキップできないCMが流れるのだが、時間にして30秒ほど。普通にTVを見ているときのCMよりはずっと短い。
放送が終了してから1週間程度の間はTVerを使えば視聴が可能となっている。それ以上たつと、基本的には配信終了となってしまうが、一部の人気番組は過去放送の配信があったりする。
また、全国区での放送番組が中心なのだが、一部のローカル放送が上がっていることもある。
2.TVerで視聴するには
TVerで番組を視聴するにはスマホ、タブレットにアプリをインストールする必要がある。
iPhoneの場合はApp Storeから
Androidの場合はGoogle Play Storeから
それぞれ無料でインストールできる。
また、スマホ以外にPCで視聴することも可能。この場合は特にアプリケーションのインストールも必要なく、ブラウザで公式ページへアクセスすれば視聴ができる。手っ取り早く見てみたいという場合は、こちらのほうがおすすめである。
3.実際に使ってみた
スマホにTVerをインストールして起動させてみると「ようこそ!TVerへ」というページに続いて、有名タレントや番組をお気に入りに追加する画面となる。特に気になるものが無ければスキップしてかまわない。
以前は地域の登録などが必要だったようだが、現在は設定画面が出なくなっている。
配信番組を見てみると、やはりドラマが多い模様。ランキングを見てみても、上位に来ているのはほとんどがドラマ。
ドキュメンタリー番組も「ガイアの夜明け」や「カンブリア宮殿」など、有名なものが配信されている。
アニメの配信も行われているが、あまりラインナップは多くない模様。アニメは違法配信に関してあまり取り締まりが厳しくないので、動画サイトで見るユーザーが多いのかもしれない。また、最近はAmazonプライムビデオやNetflixなどでもかなりの数が配信されているのでそちらを利用するのかもしれない。
TVerのアニメラインナップを見てみるとコードギアスのような過去作品も多く上がっていた。
また、使いづらかった点として、スマホアプリからフジテレビの番組を視聴しようとすると、FODというアプリをインストールするように促される。どうやら、フジテレビは独自で見逃し配信アプリを持っているらしく、それがFODとのこと。
これがなかなか、嫌な仕様である。2つもアプリを使い分けたくない。PCのTVerページから再生しようとすると特に問題なく再生できた。
4.TVで視聴するには
TVerは基本的にTV番組を視聴するものなので、リビングの大画面TVで楽しみたいという場合は、スマホの画面やPCの画面をTVに映す必要がある。
細かい接続方法はここでは記載しないが、簡単に紹介すると、
PCの場合
基本的にはHDMIケーブルで接続することで見れる。最近の薄型TVの場合、HDMI端子がついていないということはほとんどない。PC側はというと、ノートPCにはだいたいついている。デスクトップ型にも基本的についているが、一部のマニアックなデスクトップや自作型のものにはHDMI端子が無く、かわりにディスプレイポートがついているというものもあるので注意。この場合は変換端子を使えば簡単に変換できる。
スマートフォン、タブレットの場合
ケーブルで接続する方法と無線を使う方法があり、それぞれ対応しているか確認する必要がある。
ケーブルで接続する場合はMHLケーブルというものを使用する。
これは片側がHDMI端子でTV側と接続し、反対側はマイクロUSB端子でスマホ側と接続するもの。接続すればスマホ画面がTVに映るのだが、注意したいのはそれぞれがMHLに対応しているか確認する必要がある点。
TVはそれぞれのメーカーのSpecページや取扱説明書を参照し、MHL対応という表記があるかどうか、ある場合はどのHDMIポートが対応しているかを確認すること。
スマホも同様に確認が必要だが、現在使用されている大半のモデルは対応しているだろう。
ケーブルの他に無線を使用するという方法もある。
この場合はいろいろな方法があってややこしいのだが、Androidの場合はWi-Fi規格のMiracastという機能を使用することになる。TVがMiracastの機能に対応している場合は直接その機能を使えば良い。対応していない場合は外付けの受信器が販売されていたり、Chrome Castを使用したりといった方法がある。
また、iPhoneの場合はスマホ側がMiracastに対応していない。TV側にApple TVを接続すれば似たようなことができる模様。
その他の方法
SONY製のTVやNexus Playerを外付けするとAndroid TVというOSが使用できる。これはスマホのようにいろいろなアプリをインストールして使用することができるのだが、一応Android TV版のTVerというのが2018年3月現在リリースされている。
ただし、自宅のBRAVIAに入れてみたところ、Android TV版のTVerは開発用のベータ版らしく、3月31日をもって使用できなくなるという画面が表示された。
実際に開いてみてもスマホ版などとは少し配信ラインナップが異なっている模様。
そのうち正式版がリリースされるかもしれないが、現時点では情報が無い。
5.まとめ
今回TVerを使用してみたが、見逃した番組を視聴するという目的ではなかなか使えるアプリのようだった。ユーザー登録なども必要なく、使い勝手もなかなかいいので試してみると良いだろう。
ちなみに、PCで表示してPC画面のキャプチャーソフトを使用するとTVerで流している番組を録画することも可能な模様。筆者はできればBDレコーダーやnasneなどの機器で録画しないと面倒くさいので試してはいない。そのうちこうした機器で録画できるようになるか、1週間程度ではなくいつまでも配信番組が消えずに残るようになると良いと思う。