レクサスNXの新型モデル登場が近いとされるなか、現行モデルとなる2026年式NX350hに試乗する機会があった。
現在、筆者はクラウンスポーツ Zグレードに乗っている。同じトヨタ系のハイブリッドSUVであり、排気量も近いため、試乗前は「そこまで大きな違いはないだろう」と考えていた。
しかし実際に運転してみると、両車は想像以上にキャラクターが異なっていた。
今回はクラウンスポーツオーナー目線で、現行NX350hの印象をまとめてみたい。
クラウンスポーツと同じ2.5Lハイブリッドなので、正直ここまで違いがあるとは思っていなかった。
試乗車と所有車
試乗車
- レクサス NX350h Version L
- 2.5Lハイブリッド FF
現在所有している車
- クラウンスポーツ スポーツZグレード
- 2.5Lハイブリッド AWD
サイズ比較
| 項目 | NX350h 試乗車 | クラウンスポーツ Z |
|---|---|---|
| 全長 | 4,660mm | 4,720mm |
| 全幅 | 1,865mm | 1,880mm |
| 全高 | 1,660mm | 1,565mm |
| 駆動方式 | FF | E-Four |
| 最小回転半径 | 5.8m | 5.4m |
NXは視界が良く、車両感覚をつかみやすい
まず感じたのは視界の良さである。
基本的な見切りはクラウンスポーツとよく似ているが、わずかにNXの方が良好に感じた。
運転席へ座った際の着座位置はNXの方が高く感じられ、フロントノーズも短く見える。そのため車両感覚がつかみやすく、初めて乗るにもかかわらず安心感があった。
特に印象的だったのが左後方の視界である。
後方の窓が大きくて見やすい!
クラウンスポーツでも不満はないが、NXのほうが後方確認をしやすく感じた。SUVとしての実用性という点では、NXに分がある印象であった。
唯一気になったのはドアミラー
今回の試乗で最も気になったのはドアミラーである。
NXのドアミラーは外側の一部が歪んで見える構造となっていた。
営業担当者によれば、センサー類が組み込まれている関係でそのような見え方になっているとのことであった。
ただし、クラウンスポーツにも同様のセンサーは搭載されているが、少なくとも筆者の車両ではミラーの歪みは感じられない。
慣れれば問題ないレベルかもしれないが、試乗中は何度か違和感を覚えたポイントであった。
最も気になったポイント。試乗中も何度かミラーの歪みに視線が引っ張られた。
想像以上に力強い走り
走りについては、試乗前と試乗後で最も印象が変わった部分である。
同じハイブリッドシステムを採用するため、フィーリングも似ていると思っていた。
しかし実際にはかなり異なる。
NXはエンジンの存在感が強く、「ガソリン車らしい走り」を感じさせる。
クラウンスポーツが「静かに速い」とするなら、NXは「エンジンを使って力強く走る」感覚である。
アクセルを踏み込んだ際も、クラウンスポーツよりエンジンを活用して加速していく感覚が強く、同じドライブモードでもNXの方が力強く感じられた。
クラウンスポーツが滑らかさや上質感を重視した味付けであるのに対し、NXはもう少しストレートな力強さを重視したセッティングに思える。
ハイブリッド車でありながら、ガソリン車を運転しているような感覚を味わえる点はNXの魅力といえるだろう。
FFとAWD
試乗車はFF駆動車だった。営業に聞くと、雪の降らないこのあたりの地域ではFF購入者が約6割、AWD購入者が約4割という比率らしい。
クラウンスポーツは前輪エンジン、後輪モーターのE-Four駆動だが、正直、必要性的にはFFで十分だとは思う。燃費性能もFFのほうが良い。
ただ、今回FFのNXを試乗してみると、コーナー終盤でアクセルを踏んだ時に確かにFFらしい動きが感じられた。イメージ的には、前輪で引っ張って曲がるという感じの動き。思ったより、わずかに外回りになる印象。
このあたりの細かい違いまで気になる場合はAWDを買うというのもありかと思った。実際、レクサスクラスの高級車になると、AWDも人気があるため、かかった金額分はリセールでほとんど返ってくるという話も聞く。
取り回しの差は意外と感じなかった
ボディサイズを見ると、NXの方がわずかに全幅が小さい。
しかし実際に走行している限り、その差を体感することはほとんどなかった。
クラウンスポーツには後輪操舵システム(DRS)が搭載されており、理論上は小回り性能に優れている。
そのため試乗前は大きな差があると思っていたが、一般道を走った範囲では違いを感じる場面は少なかった。
もちろん狭い駐車場や切り返しを多用する環境では差が出る可能性はあるが、日常的な街乗りであれば両車の取り回しは非常に近い印象である。
2027年新型NXには何を期待したいか
今回試乗した現行NXは完成度が高く、大きな不満を感じる部分は少なかった。
だからこそ、新型NXには大幅な変化というよりも、現行モデルの長所をさらに磨き上げる進化を期待したい。
まず期待したいのはハイブリッドシステムの洗練である。
現行NXは力強い走りが魅力である一方、クラウンスポーツと比較するとエンジン介入がやや目立つ印象を受けた。新型では静粛性やモーター主体の走りをさらに向上させつつ、現行の力強さも維持できれば理想的である。
また、今回違和感を感じたドアミラーについても改良があると嬉しい。視認性そのものは悪くないものの、見え方の自然さについては改善の余地があるように感じた。
さらに最新のレクサス車を見ると、先進安全装備やインフォテインメントシステムも急速に進化している。大型ディスプレイや音声認識機能、運転支援機能の強化なども新型NXの注目ポイントになるだろう。
現行NXは今でも十分魅力的なモデルである。しかし次期モデルでは、その完成度をさらに高めた「プレミアムSUVの新たな基準」が見られるのではないかと期待している。
現行NXの完成度は非常に高かっただけに、新型では“熟成型の進化”になるのではないかと期待。
まとめ
| 項目 | NX350h 試乗車 | クラウンスポーツ |
|---|---|---|
| 視界 | ◎ | ○ |
| 着座位置 | 高い | やや低い |
| 左後方視界 | ◎ | ○ |
| 加速フィーリング | 力強い | 上質で滑らか |
| 小回り | ○ | ○ |
| ドアミラー | やや違和感あり | 違和感なし |
試乗前はクラウンスポーツとNXは非常に似た車だと思っていた。
しかし実際には、
- NXの方が視界が良い
- 着座位置が高くSUVらしい運転感覚である
- NXの方が力強くガソリン車的なフィーリングがある
- 取り回しの差はほとんど感じない
という印象であった。
クラウンスポーツが上質さや洗練された走りを重視したモデルであるならば、NXはより王道SUVらしい力強さと扱いやすさを重視したモデルである。
新型NXの登場が近づく中で改めて現行モデルに乗ってみたが、なぜNXが長く支持されているのかを再認識する試乗となった。特にSUVらしい視界の良さと力強い走りを求める方には、今なお非常に魅力的な選択肢であると感じている。

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